ウェブサービスなどで、ユーザーにプレゼントする場合には、景品表示法に注意!【2020年7月加筆】

もめる法律相談

新規Webサービスをローンチする(立ち上げる)ときなどに、キャンペーンとして、ユーザーに対して商品のプレゼントやキャッシュバックなどをしたい場合があると思います。

このようなキャンペーンは、消費者の注目を集め、一定の販促効果があります。そこで、ここは大盤振る舞いといきたいところですが、キャンペーンなどの景品には「景品表示法」により一定の制約があります。

komon5000

「懸賞」を用いる場合に法的に気をつけること

景品表示法上の「懸賞」とは、(1)くじその他偶然性を利用して定める方法、(2)特定の行為の優劣または正誤によって定める方法とされています。

(1)の例としては、「抽選で○名様にプレゼント」といったようなものであり、(2)の例としては、キャッチフレーズ、写真、商品の改良の工夫を募集し、その中から優秀賞を選考してその受賞者に商品をプレゼントするといったものです。

また、先着○名様にプレゼントという企画も、購入者が自己の購入順位を予め知ることができないような場合には、購入者にとっては「偶然性を利用して定める方法」となるので、「懸賞」に該当するとされています。

では、「懸賞」に該当する場合に、どのような規制がかかるのでしょうか。

「懸賞」に該当する場合の規制

懸賞については、誰もが応募できる「オープン懸賞」と、商品などの購入を条件とした「クローズド懸賞」があります。いずれも懸賞・景品をプレゼントする場合には制限があります。

▲ 懸賞における景品類の限度額

クローズド懸賞の例では、Webサービス内で、300円のアイテムを購入したユーザーを対象として、プレゼントをする場合には、そのプレゼントの最高額は、6000円が限度になります。

また、購入者を対象とはするものの、購入額の多少を問わないで景品類の提供をする場合には、「取引価額」は、100円とするとされています。そうすると、プレゼントの最高額は2000円が限度ということになるわけです。

また景品などの総額の上限は、売上予定総額の2%となっています。この売上予定総額の算出方法としては、前年の同時期の販売実績や同種の懸賞企画を行った際の販売実績などを参考にして、合理的に算定しているのであればかまいません。

結果的に、実際の売上総額が売上予定総額を下回り、景品類の総額が売上総額の2%を超えたとしても、直ちに問題とはなりません。

購入者全員にプレゼントする場合の規制

購入者や申込者全員にプレゼントという形式のオープン懸賞の場合はどうでしょうか。この場合には、懸賞の場合とは異なった、景品表示法第3条「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準による規制があります。

この場合の「取引価額」は、購入金額のことを指します。「購入者を対象とするが購入額の多少を問わないで景品類を提供する」場合の「取引価額」は、原則として「100円」とするとされています。

ただし、プレゼントの対象商品または役務の取引の価額のうち、当該景品類提供の対象商品または役務について通常行われる取引の価額のうちの最低のものが100円を超えると認められるときは、当該最低のものを「取引価額」とすることができるとされています。

よって、購入者全員プレゼントといったキャンペーンの場合に、配布できる景品の最高限度額は、200円までです。自社サービスの最低価格が1000円以上である場合には、その最低価格の20%のプレゼントを配布できるにとどまります。

komon5000

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA