メルマガで事前同意が必要ない場合とは?特定電子メール法に違反するとどうなる?

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メールマガジンにも法律のルールがある!オプトインとオプトアウトは正しく理解しましょう!では、メールマガジンを送る際に「オプトアウト」で、事前の同意を得ている必要があるという話をしました。

komon5000

事前の同意が必要ない場合

メルマガなどの広告メールの配信において事前の同意が必要ない場合もあります。

「メルマガを発行するのに、法律があるってホント?(1)」で見てきたのは原則的な場合です。特定電子メール法では、メルマガなどの広告メールの配信時に、次のように、事前の同意が必要ない例外的な場合を定めています。

(1)相手に電子メールアドレスが記載されている書面を通知した場合

典型的な例が、電子メールアドレスの入った名刺を渡すという行為です。

名刺を渡した相手方に、メルマガ・広告メールを送ってもいいのです(法律上はこうなっていますが、名刺を交換した相手からメルマガが送られてくる行為は、一般的には評判や印象が良くないので、これをやるかどうかは、個人的には考えものだと思います)。

(2)インターネット上で電子メールアドレスを「公表」している団体、または営業を営む個人の場合

この場合にも、メルマガや広告メールを送ってよいことになっています。

ただし、ウェブサイト上に、受信を拒否する表示がなされていた場合、例えば、ウェブサイト上に「広告・宣伝メールはお断りします」と併記されているような場合には、この例外規定は適用されません! そのような団体・個人には、特定電子メールを送信することはできませんので、注意が必要です。

メルマガを発行する場合に、必ず書かなければいけないこと

メルマガを発行する場合には、なるべく多くの人に読んでもらえるように、文章や構成を考えることになります。それに加えて、メルマガを発行する場合に、メルマガ本文に必ず書かなければいけない事項というのがあります。

主だったところでは、以下の事項です。

  1. 送信に責任がある者(送信者)の氏名
  2. 受信拒否ができる旨の文言(例えば「配信停止はコチラから」という文言)
  3. 受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURLの表示
  4. 苦情、問い合わせ先の連絡先

メルマガによっては、これらの事項が欠けているものも散見されますが、メルマガを発行する際には、必ず先ほどの1. ~4. の事項は、メルマガ本文に必ず入れるようにしてください。

これまで、メルマガ・広告メールについての守るべきルールについてお話しました。

特定電子メール法の規制を守らないとどうなるか?

違法なメルマガ・広告メールの情報は、総務省から委託を受けた、迷惑メール相談センターというところが収集しています。

違法なメルマガが発覚する経緯は、一般の利用者が、「同意していないのに、メルマガが送られてきた」などと迷惑メール相談センターに相談して発覚することが一般的です。

特定電子メール法に違反したメルマガ・広告メールを送信したことが発覚した場合には、総務大臣及び消費者庁長官は、送信者に対しメールの送信方法の改善に関し、必要な措置を取るよう命ずることができます。これを措置命令と言います。

この措置命令ですが、ただ「コラッ!!」と怒られるだけなら、「ごめんなさい」と謝ればいいのではないかと思われるかもしれません。しかし、措置命令が出されたことが、公表されてしまいます。

迷惑メール相談センターのウェブサイトには、(1)具体的な企業名、(2)企業についての情報(住所、代表取締役、資本金等)、(3)概要(どんな内容の違法があったか)などが公表されています。

つまり「この企業は、こんな違法メルマガを出していますよ」ということが、公衆の目に触れてしまうことになります。

そして、この措置命令ですが、違法のメルマガ、広告メールに対する措置命令については、毎年総務省からの措置命令が公表されています。会社名なども公表されてしまうので、一度公表されてしまったら、会社の信用はガタ落ちして、売上にも響きます。したがって、絶対に特定電子メール法の規定は、遵守しないといけないのです。

特定電子メール法には「刑事罰」もある

また、特定電子メール法において、会社が措置命令に従わず、放置してしまった場合には、刑事罰もあります。

これによると違法なメルマガ・広告メールを送った場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金になります。また、法人の業務に関して、違法なメルマガを発行した場合は、法人に対して3000万円以下の罰金刑が規定されています。

つまり、軽い気持ちでメルマガ・広告メールを出したら、措置命令を受けたことが公表され、しかも刑事罰を受ける可能性もあり、取り返しのつかない事態になってしまいます。

ぜひ、しっかりとルールを守って、メルマガなどの広告メールを出すようにしましょう。

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