【法律】ダウンロードしたフリー画像やイラスト素材を使うときに注意すべき2つのポイント【2020年7月加筆】

事例検証

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フリー画像を使ったら、どんなことが起こる?

自社のWebサイトを制作する際に、ネット上に落ちているフリー画像などを使用することがあると思います。

しかし、このフリー画像を使用する行為は、法律上、問題はないのでしょうか?

  • ダウンロードサイトの利用規約
  • 素材の著作権の帰属について

この2つのポイントについて、以下で詳しく解説していきたいと思います。

ダウンロードサイトの利用規約

ダウンロードしたイラスト素材やフリー素材の画像が第三者の著作権を侵害してしまっていた」という場合、素材の著作権者から素材を利用した利用者自身が賠償請求等を受けます。

しかし自分が利用者側だった場合、著作権を侵害しているような素材をWebサイトに上げていた運営会社に対して自分が負担した賠償金額を請求したくなるのではないでしょうか?

素材の利用者が負担した賠償額等をダウンロードサイトの運営者が負担してくれるのか、これについてはダウンロードサイトの利用規約で記されているはずです。

ダウンロード素材を利用する前に、あらかじめWebサイトの利用規約を確認しておかなければなりません

ここでは、PIXTA(ピクスタ)の利用規約(例)ダウンロードサイト「PIXTA(ピクスタ)」の利用規約)をみていきます。

『当社は、本サービス上のコンテンツ、付随するタグ表記、タイトル又は情報(コンテンツに係る著作権、肖像権、パブリシティ権その他財産権の表示を含む)の正確性及び完全性を保証することはできません。本サービス上にコンテンツ及び情報を提供する場合、及び本サービス上のコンテンツを購入し使用する場合、ユーザー、会員、及びクリエイター会員はいずれも、本規約を遵守し、自己の責任において行うものとします。 』

要するに「もしダウンロードした素材で著作権トラブルになったとしても、PIXTA(ピクスタ)は責任とりませんよ」ということです。

利用規約にこう書かれている以上、素材のダウンロードサイトの運営者に損害賠償の請求は、諦めた方がいいでしょう。

このようなフリー素材を利用する場合は、この点をしっかり理解する必要があります。

素材の著作権の帰属について

また、著作権の問題が生じる可能性があります。つまり、フリー画像を使用したら、運営元から著作権侵害で訴えられるというパターンです。

画像やイラストの素材ダウンロードサイトが、運営するダウンロードサイトに掲載されている画像を、他社のWebサイトに無断で使用されたとして、その他社について、損害賠償を請求した事案で、損害賠償請求を認める判断を下しました(東京地方裁判所平成27年4月15日判決)

この判決は、「仮にフリーサイトから入手したものだとしても、識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべきことは、著作権等を侵害する可能性がある以上当然である。」という判示もしています。

フリー素材といえども、ダウンロードした素材を利用する前には、その素材が第三者の著作権を侵害していないかどうかを調べる必要があるのですが、現状、ダウンロードした素材が第三者の著作権を侵害していないかどうかを確認する確実な手段というのはありません。

確実な手段ではないですが、ダウンロードした素材を画像検索で検索し、ダウンロードサイト以外の別の場所にアップされていないかを確認するという方法があります。

例えば、オリジナルと思われる画像を掲載したHPやWebサイトを見つけた場合、自身がWebサイトからダウンロードした画像は、第三者によって無断で素材ダウンロードサイトにアップロードされたものである可能性があるということになります。

また、フリー素材のダウンロードサイトから無料でダウンロードした素材が、別の有料ダウンロードサイトにも掲載されていることを発見することもあるかもしれません。この場合、第三者が有料ダウンロードサイトからダウンロードした素材を、無断で無料ダウンロードサイトにアップロードした可能性があるということです。

このようなケースは、著作権を侵害している可能性があるため、その素材は利用しない方がいいでしょう。また、ダウンロードした素材に、作成者の表記がされているかを確認することも重要です。作成者が表記されていない素材については、素材の利用を避けた方がいいでしょう。

フリー素材と著作権に関する注意点まとめ

ここまでのダウンロードした素材についての重要なポイントをまとめると、以下のことが重要となります。

  • 素材をダウンロードするサイトの利用規約を確認すること
  • 素材について、別のHPやWebサイトにもアップロードされていないか確認してみる
  • 素材に作成者の表記があるかを確認する

知らない間に、著作権を侵害してしまわないよう、事業者としては、気を付けましょう。

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