IT起業家・中野秀俊の起業バカ一代【vol.7】有頂天の中野青年の「終わりの始まり」

IT起業家・中野秀俊の起業記 青年期【vol.1】

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自分のことを天才だと思っていた中野青年…

自社のウェブサービスもうまくいき、ブランド品に身を包み、複数の女性とも交際するようになった中野青年…

自分は、能力がある、経営者として天才なんだと信じて疑わなかった時期でした。

20歳の若者が、月に数百万のお金を手に入れて、こうも調子に乗るのかというくらい、完全に有頂天に。

それに拍車をかけたのが、周りの大人達の態度です。

経営がうまくいき始め、お金が入ってくると、お金の匂いを嗅ぎつけた大人達が、寄ってくるようになります。

周りの大人たちが、「中野さん、天才ですね!」と煽ててくる。周りの女性たちも「中野さん、素敵!」と近づいてくる…

今から思えば、お金目当ての大人たちの言葉なのですが、そのときは、完全に真に受けていました。

全てが自分中心で回っている…そんな感覚に酔いしれていたのです。

同世代で就活している人たちをバカ呼ばわり

調子に乗っていた中野青年は「周りが全員バカに見える」と思っていました。特に、同世代の大学生のことは、見下していました。

そんな調子に乗っていた中野青年ですが、ときはすでに大学3年生の秋~冬。

そう周りは、就職活動の時期でした。

周りが必死に就活をしているなか、中野青年はわれ関せず…

むしろ、自分は、会社を興し、自分の力で稼いでいる…。就活をしている奴らとは、住んでいる世界が違うんだ…という考えを持っていました。

実際、中野青年の大学時代の友人は、中野青年の元から、どんどん離れていきました。

中野青年は、どんどん孤立化の道を歩んでいくのです。

このときは、そんなことは全く気にしていませんでした。むしろ、レベル違う人間と話していてもムダと開き直っていたのです。

終わりの始まり

そんな、完全に性格がひん曲がってしまった中野青年ですが、相変わらず事業は絶好調!

売上も、どんどん伸びていく…そんな状況でした。

それに伴い、どんどん派手に遊びまわるようになりました。

もともとあまり飲めないくせに、高いお酒をガブ飲みする。女の子と遊びにいく。

二日酔いになり…また遊びに繰り出す…
そんな生活を送るようになりました。

そんなある日…共同経営者のYくんから、取引先から「クレームが来ているよ」との報告が。

それは、単純な発注ミスでした。

中野青年「あ、ごめんごめん。それ、俺が発注した分だ。」

Yくん「ま、次からはちゃんと、頼むよ。」

中野青年「おう!」

この頃は、事業が波に乗っていたので、一つのミスなんてささいなもの…

中野青年も、Yくんも、そんな感覚でいました。

むしろ、ミスが出るのは会社の規模が大きくなってきた証拠…ぐらいに考えていたのです。

しかし、中野青年は、このとき知りませんでした。

築き上げたものの「終わりの始まり」は、実はささいなことだということを…。

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