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自分のことを天才だと思っていた中野青年…
自社のウェブサービスもうまくいき、ブランド品に身を包み、複数の女性とも交際するようになった中野青年…
自分は、能力がある、経営者として天才なんだと信じて疑わなかった時期でした。
20歳の若者が、月に数百万のお金を手に入れて、こうも調子に乗るのかというくらい、完全に有頂天に。
それに拍車をかけたのが、周りの大人達の態度です。
経営がうまくいき始め、お金が入ってくると、お金の匂いを嗅ぎつけた大人達が、寄ってくるようになります。
周りの大人たちが、「中野さん、天才ですね!」と煽ててくる。周りの女性たちも「中野さん、素敵!」と近づいてくる…
今から思えば、お金目当ての大人たちの言葉なのですが、そのときは、完全に真に受けていました。
全てが自分中心で回っている…そんな感覚に酔いしれていたのです。
同世代で就活している人たちをバカ呼ばわり
調子に乗っていた中野青年は「周りが全員バカに見える」と思っていました。特に、同世代の大学生のことは、見下していました。
そんな調子に乗っていた中野青年ですが、ときはすでに大学3年生の秋~冬。
そう周りは、就職活動の時期でした。
周りが必死に就活をしているなか、中野青年はわれ関せず…
むしろ、自分は、会社を興し、自分の力で稼いでいる…。就活をしている奴らとは、住んでいる世界が違うんだ…という考えを持っていました。
実際、中野青年の大学時代の友人は、中野青年の元から、どんどん離れていきました。
中野青年は、どんどん孤立化の道を歩んでいくのです。
このときは、そんなことは全く気にしていませんでした。むしろ、レベル違う人間と話していてもムダと開き直っていたのです。
終わりの始まり
そんな、完全に性格がひん曲がってしまった中野青年ですが、相変わらず事業は絶好調!
売上も、どんどん伸びていく…そんな状況でした。
それに伴い、どんどん派手に遊びまわるようになりました。
もともとあまり飲めないくせに、高いお酒をガブ飲みする。女の子と遊びにいく。
二日酔いになり…また遊びに繰り出す…
そんな生活を送るようになりました。
そんなある日…共同経営者のYくんから、取引先から「クレームが来ているよ」との報告が。
それは、単純な発注ミスでした。
中野青年「あ、ごめんごめん。それ、俺が発注した分だ。」
Yくん「ま、次からはちゃんと、頼むよ。」
中野青年「おう!」
この頃は、事業が波に乗っていたので、一つのミスなんてささいなもの…
中野青年も、Yくんも、そんな感覚でいました。
むしろ、ミスが出るのは会社の規模が大きくなってきた証拠…ぐらいに考えていたのです。
しかし、中野青年は、このとき知りませんでした。
築き上げたものの「終わりの始まり」は、実はささいなことだということを…。