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スタートアップ・ベンチャー企業の事業段階ごとの落とし穴
スタートアップを起業すると、様々な壁にぶち当たります。私自身も、IT企業を起業していて、多くの困難に直面しました。
また、弁護士・社会保険労務士になってからも、多くの企業と関わらせていただき、経営面で直面する課題をみていきました。
そこで、今回は、スタートアップ企業が、成長していくにつれて、ハマる落とし穴を解説していきます。
スタート(創業期:1人~5人)
スタートアップを起業し、新しい商品・サービスを作る段階です。
一人だけで起業する場合もあると思いますが、何人かで創業する、外部のエンジニアと組むなどして、チームで起業する場合も多いと思います。
例えば、5人くらいのチームで創業すると、粗利が2000~3000万円ですと、黒字にはならないという事態が生じます。
商品・サービスを作り、ローンチもした。でも、すぐには、売上が上がらない…
そうこうしているうちに、資金が尽きて…
というのが、スタート期の落とし穴です。
ここで必要になってくるのは、サービスをローンチして、売上を上げるまでに、どうやって会社を存続させるかを考えることです。
span class=”marker”>資金調達をする(出資・融資)、固定費を下げる(オフィスを持たない、人は雇わず外注する)などで、スタート時期に会社が生き残れるような設計が必要になります。
事業化段階(5人~15人)
上記のようなスタート段階を超えると、利益も確保でき、資金調達も進み人も雇え、設備やマーケティング投資もでき、さらに売り上げが上がるという段階になります。
まさに、事業化の段階です。
これは、会社規模としては、15人ほど、売上も2~3億円までがこの段階です。
この段階までくると、それなりのマーケットがあることになります。ということは、競合が増えていきます。
そうなると、競争が過熱してしまい、売上が増えないということが起こります。
一方、会社規模が大きくなっているので、給料などの固定費はかかりますし、広告費などのマーケティング費用もかさみます。
ここで成長が止まるスタートアップ・ベンチャー企業も多くいます。受託開発などでお金をつなぎ、なんとか存続させている状態になってしまうこともあります。
成長の段階(15人~30人)
事業化の段階を超えると、会社としては、大きな成長していきます。
会社として信用力もあり、銀行も大きな金額を貸し付けしてくれます。そのお金を使って、人を採用して、スケールしていく段階になります。
しかし、人数が増えると、組織マネジメントが難しくなります。
また、採用についても、実際の求めている人とのミスマッチが起こるようになります。
これが、「社員30人の壁」と言われるもので、「人の問題」で、組織の成長が止まることがあるのです。
この段階で、従業員の大量離職などが起こることがあります。
組織化の段階(30人~100名)
30人の壁を超えて、事業もうまくいき始めると、一気に成長フェーズに入ってきます。
スタッフが、30名を超え始めると、span class=”marker”>経営陣が全員のことを把握できなくなってきます。
そうなると、組織化が必要なり、部長などの中間管理職の必要性を感じるようになります。
そして、span class=”marker”>人事制度・評価制度の導入なども、必要になってくるのです。
このようなスタートアップのイケイケドンドンのときに感じなかった「span class=”marker”>組織化の壁」が立ちはだかります。
また、入社している社員も、安定志向の者が増えていきます。
この時期の企業は、スタートアップとは呼べないが、まだまだ挑戦しかないといけない段階です。
社内でも、新しいこともしていかないといけないので、いわゆる組織が、「官僚化」するわけにはいかないのです。
経営者としては、この点を十分に注意する必要があるのです。
スタートアップ経営は、本当に大変
以上のように、スタートアップの経営には、成長フェーズごとに大変なことも多く、壁にぶち当たります。
この壁を、どうやって突破していくのかも、経営者として判断が迫られます。
経営者として、成長段階ごとに、どういう壁があるのかを認識していくことは非常に重要なのです。