企業の価値は、どうやって算定するの?バリュエーションの方法を解説

M&Aの法律

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投資を受けるとき、M&Aのときに行われるバリュエーション

自分の会社って、いくらなんだろう…そんなことを考えたことありませんか?

会社の価値が問題になるのは、出資してもらうとき、M&Aで会社を売却する場合です。

その会社が上場している場合には、直近の取引所での株価を勘案して株価と同じとすることもありますが、会社が未上場の場合にはバリュエーションと呼ばれる企業価値の評価が必要です。

特に、未上場の会社については、客観的な企業価値の算定が難しい場合があります。

今回は、企業価値・買収額を算定するときの3つの方法をみていきましょう。

ただ、経営者としては、細かい計算方法は理解する必要はなく、どういう手法があるのかの理解をするようにしましょう!

DCF法(ディスカウンティド・キャッシュフロー法)

DCF法は、会社や事業が将来生み出す資金(フリーキャッシュフロー)を、現在価値すると、いくらなのかを計算するものです。

1期間の利子率をrとしたとき、1年後のY円を現在の価値に直すと、Y/(1+r)円になります。

このように、将来の価値を現在の価値におき直すと、企業価値は少なくなります。

このような(1+利子率)で割り引いた価値で表示したものを、割引現在価値(discounted present value)といいます。

割引現在価値と買収額やプロジェクトに投資する額の差額を求めて投資の採算・合否を決めることがよく行われます

マルチプル(類似業種比較)法

マルチプル法は、対象の会社と同様の業種に属している複数の上場企業の財務指標の平均値から企業価値を評価するものです。

PERマルチプル法は、類似企業の株価が1株当たり利益の何倍か(平均PER:株価収益率)を求めて、対象企業の1株当たり予想利益に乗ずるやり方です。

PBRマルチプル法は類似企業の株価が1株当たり純資産の何倍か(平均PBR:株価純資産倍率)を求めて、対象企業の1株当たり予想純資産に乗ずるやり方です。

さらに、EBITDA(税引き前利益に支払利息と償却費を加算したもの)が、企業価値(株価総額+有利子負債-現預金)の何倍かを求めて、対象企業のEBITDAに掛けるものもあります。

実務上は、類似企業のうち最低値と最高値は除外して計算し、3つのマルチプル法の加重平均をとることも多いです。

純資産価額法

純資産価額法は会社の決算上の純資産簿価から資産の時価評価やその他減損項目(収益性の低下などにより投資額の回収が見込めなくなった資産)を加減して評価額を出すものです。

子会社や貸付金の対象会社がつぶれそうな場合などは、その投資や貸付金をゼロ評価して再計算します。

実際の時価総額と資金調達

実務上は3つのバリュエーションの平均値をとったり、ウエイトづけを変えて評価額を出しています。

ベンチャーキャピタルは、この算定された企業価値にもとづいて、出資する際の株価が妥当かを判断します。

ベンチャー企業の経営陣も、収支計画から試算される企業価値がどのくらいになるか概算で評価しておくと、自社の時価総額がわかり、投資時の株価の交渉が有利になりますので、押さえておきましょう!

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